誉田哲也 ★★★☆☆
ドラマで話題の例の小説。
主人公がバリキャリウーマンでかっこいいです。基本ヒロイン小説って信用してないんですけど、姫川は結構好きかな。
閑静な住宅街で発見された変死体。
一課の若きエース姫川玲子警部補は事件はもっと複雑であり、現在見えている部分は氷山の一角であると考える。
その勘は当たり、次々と発見される遺体。
被害者には共通点が無く、捜査は行き詰まると想われたが、姫川は第2の被害者、滑川の大学時代の友人から聞いた、都市伝説のような噂話「ストロベリーナイト」に目をつけ、一連の事件の真実に迫ってゆく。
ノンキャリアながら27歳で警部補に昇進。スポーツ万能、成績優秀、容姿端麗、おまけに媚びる様子のない性格。
こんな女いねーよって思っちゃうけど、さっぱりしていて嫌味がないから姫川玲子は好きだ。
家族と上手く向き合えず、母が倒れて狼狽するあたりなんかはとても共感が出来た。仕事はできるのにね。
姫川が過去のトラウマと向き合ったり、自分の仕事の姿勢について考え直したり、姫川玲子の成長記録なのかなと思ったり。
ミステリー慣れしていると、犯人は割と最初の段階で分かってしまうかもしれない(なんせ話の流れの中で唐突に存在するなぁって思った)
あとは動機とかが突飛かな。
登場人物がそれぞれ魅力的です。ガンテツは圧倒的ヒールとして書かれているけれど、きっと根っから悪い人ではないんでしょうね。
姫川玲子シリーズは第2弾まで読了。
2のほうが面白かったので気が向いたらレビュー書きます。
余談。書評でグロテスクな表現が多いとあったので覚悟してたのですが、桐野夏生で鍛えられて来てるので平気でした。
基本的に自分の人生では経験できないことを小説には求めがちなので読む小説は暗いものが多い。
先日後輩に「人が死ぬ小説は悲しくならないのか」と聞かれてふと思ったんだけど、フィクションをフィクションとしか捕えないんですね、私。
小説の中で人が死んでも「あ、小説の人が死んだな」以上でも以下でもない。
それは小説の終盤で、姫川がガンテツに指摘されたことに似ている気がして胸が痛かったです。