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私と本とその他色々

過去の自分と交換日記をしてみよう

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関係ないけど2017年だかに行った九フンの写真。
上京する少し前に書いた文章が出てきたのでぺたり。

10年以上前なんだ、高校三年生の冬。てか私こんなに明るかったんだ。

 

▼2020.12.30

地元に大きな公園があって、その中にお城があります。
天守閣は無く小さな小さなお城ですが、
私はそこの城壁にある四角やら丸やら三角の窓から眺める地元の風景が幼い頃から大好きでした。

その公園を囲む堀には噴水が毎日水を流していて、
白鳥や鷺、色々な鳥が夜になると集まってくるんですね。可愛い。

春になると桜が咲いて公園内の池の周りは花見客でいっぱい。
鳩やら雀も寄ってきて、それはそれは大宴会。

夏は新緑、秋は紅葉、冬は今まで隠れていて見えることの無かった繊細な枝を眺め
ぼーっと過ごしたその公園が大好きなのです。

好きな遊びはスワンボートと鯉の餌やり。
四季折々の風景に見守られながら18年間過ごしてきましたが、
どうやら、その公園を訪れるのも数えるほどになってしまったようです。

漁師町としては有名で、鮮魚の商店街がある地元。
海岸沿いを我が物顔で歩く猫、おばちゃん達の井戸端会議。

「あー私払うからええってええって」
「いやいや、そんなわけにはいかへんがな」
そんなこと言いながら、おばちゃん達財布だしてへんやん!
きっと最後はワリカンになるんでしょう。

寂れた色も多いけれど、緑と海の調和、そして人の面白さは何時見ても素晴らしいものでした。



話は変わり、東京に部屋探しに行きました。とにかく人が多い。
のんびりとした町で育った私にはそれこそ悪夢。
こんな所で生きていけるのだろうか、いや生きていくしかないんだろうな。
そんなこと考えながら、合格祝いに買ってもらったばかりの赤いキャリーバックをコロコロと転がす。
きょろきょろと辺りを見渡しながらキャリーバックを引く様は、まるで田舎者。
どうもすいませんでしたー!と言った所です。

最初に行った所は都心ほどでは無かったけれどやっぱり人が多かった。
可愛いお店が沢山あって退屈はしなさそうだったけれど。
うーん、住むって考えたらちょっとなぁ…。

何より緑が無い緑が!
なんでわざわざ公園を目指さなきゃ見にいけないのさ!
街の中に自然と組み込まれてる、なんてことが無いのかな寂しい。
綺麗なんだけど何か違う。でも東京なんてこんなもんか。
ゴロゴロと大音を立てて転がるバッグ、
考え事をするとやっぱり人とぶつかりそうになる。駄目だこりゃ。向いてない。

気を取り直し、次の日向かった場所は各駅停車しか止まらないような全く知られてないような土地。
どうせ東京なんて、と思いつつ電車から降りてあららびっくり。人がいない。
流石マイナー駅だなぁと思いつつ駅の外に出ると、まぁ人がいないことこの上なし。
本当にここは東京なのかと思いつつ赤いキャリーバックをコロコロ転がす。
不思議な事に人とぶつからない。なんだこれ。
思わず駅の名前を確認する。やっぱりトーキョーだよなぁ…。

親切なことに、その物件を管理している方が迎えに来て下さって迷子にならずにすみました。
マンションの前にはどっかで見たような大きな松。そして沢山の木々。
私のテンションはMAX。

「あびゃぁぁぁぁこれ松ですよね!ぴゃぁぁぁぁ鳥とまってるぅぅぅかぁいいいい」
電波丸出し。

話を聞いたところ、直ぐ側に大きな公園もあり、環境は抜群だそうです。人もいないし。
松の隣には桜が数本植えられていて、春には満開の花を咲かせるそうな。
ちらちらと過ぎる地元の風景。ここなら住めるかな?住めるかな!
管理の方とも意気投合し、春からはそこに住むことになりました。案外すんなり決まった。


地元を離れることになっても、多分あそこなら大丈夫だと思った。
どうせ引きこもりニートですし、人見知りですし、人が多い場所は大の苦手です。
何より緑があるのはいいよね。毎日変わらないビルばっかり見てても飽きちゃう。
ちょっとずつ変化する景色を間違い探しのように見るのが趣味だったのでよかったー。

全く、悪趣味な野郎だな。

あとはもう春を待つだけ。それもなんだかじれったい。
早く来て欲しいよな、まだ馬鹿みたいなことをしたいような。
暇があると考え事をしてしまう気質なのか知りませんが、一人でいると憂鬱で退屈。
まだまだやりたいことが沢山あるよ!高校生活が足りないよ。



年越しはのんびり田舎でする予定です。
お年玉もらうぞー!なんか目的が違う!

 

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うわ~~~~私若い!!!!若くてびっくり!!!!

そのまま10年前の自分に向けて交換日記を書いてみたいと思います。

 

2021年から2010年の私へ

お元気ですか?きっと今頃はあと三か月後の一人暮らしへ向けて色々と胸を躍らせているのではないのかなと思います。

合格祝いに買ってもらった赤いキャリーバッグは残念ながらすぐに壊れてしまいます。でも大丈夫です、また別に買ってもらった小さめのキャリーバッグをダサいなーと思いながらも今でも楽しく使ってます。中国にも台湾にも持っていきました。完璧に使いこなしてます。

 

明石城、素敵なところですよね。私も大好きです。

でも、もう5年くらい行っていない気がします。実家を離れて長いこと生活するって意外とそういうもんで、今まで当たり前のように行けていた場所が行けなくなったり、当たり前のように友達だった人と縁が切れたり、変わらないものって無いのだなぁって実感する毎日です。

そう、私の高校生活は、その公園と海岸と、素敵な友人のおかげで楽しいものでしたね。安心してください。素敵な友人とは卒業後もクラスTシャツを作ってドッジボールをしたりする仲です。そこはあんまり変わりませんでした。

 

高校卒業して東京の内見、夜行バスで一人で行ったんだったね。

笹塚のビジネスホテルで一泊。高校生が信じられないよね。でも、怖いより楽しみが勝っていたのかな?

今考えたら恐ろしいことをしたって両親も後悔してるから大丈夫だよ。関心がなかったんじゃなくて意外とタフだったから一人で勝手に家を決めるだろうって安心してたんだって。

窓から松が見えて、春には桜が咲いて、近くには公園があって。そんな理由で決めた家ではたくさん出会いがあるよ。でも最初は金髪で緑のカラコンを入れるものだからギャルに囲まれてすっごく困ったことになるからね。

でも、そのあとはかけがえのない友達が何人も出来るから安心してください。

遊びに来た友達に「小学校の廊下より狭い」と言われた部屋、そこで過ごした4年間は同居人のことでトラブルが起こって怒ったりわらったりもしたけれど、あなたにとって騒々しく楽しい日々になると思います。

あ、出ていくときの片付けは本当に覚悟しておいてください。服飾学生の荷物はとんでもないので一人で何日もかけて死にかけながら段ボールに詰めて、足りなかったのでさらに段ボールを足した気がします。

 

学校は変な人がたくさんいて、自分の天井を知るいい機会になります。

きっと高校の時自分よりも遥かに絵の上手い人たちを見てすごく悲しい思いをしたと思うけれど、それは専門に進んでも変わらないです。

でも、才能が無くても好きなことに携わる方法はいくらでもあるから大丈夫。その方法を考えられなくなったときは手を休めて考えてあげればいいよ。

何者になれなかったとしても、あなたは唯一のあなた自身です。気を落とさないでね。

 

バカなことはね、たくさんしておいた方がいいと思うよ。

最近私はずっと気がめいっていてバカなことをしていなかったので、もっとしていたほうがよかったなと反省している。だからこれからもっと馬鹿なことたくさんやろうと思ってる。

 

やりたいことがたくさんあるってすっごく素敵だね。見習おう。

10年後のあなたは多分あなたが思っている以上に寂れていて、みっともないしがないOLでしかないんだけど、もう少し頑張ってみるよ。元気出た、ありがとうね。

東京生活、きっと色々あるけど楽しんでいってね。

きっとその感性は自分でしんどいなぁと思うことが多いかもしれないけれど、私はとっても好きだから大事に大事に取っておいてね。