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後悔と真実の色

給料日前かつ雨なので読書が捗りますね。

 

後悔と真実の色

貫井徳郎

★★★★☆

 

貫井文学らしいミステリー。

山本周五郎賞受賞作とあってパンチの効いた1冊。空白の叫びを読んだ時の何とも言えない陰鬱な感じとよく似ている。

とにかく主人公が救われない(自業自得であることは間違いないが)

無くしたあとで気がついても遅い事って沢山ありますよね。エリート街道まっしぐらの主人公西條が仕事にのめり込むあまり数多くのものを無くしていく様子は恐ろしく、自分の行動を省みてみようと思わせるよね。

1番怖いのは人間。

 

ところで、私は綿引に凄く同情してしまって、彼に救いを与えて欲しかったなぁと思います。

自分よりも優秀な人間が、たいした努力もせず自分を飛び越えて行くと、悔しいと言う気持ちの前に自身を否定する気持ちが湧いてくるよね。わかるわかる。

まだ文庫化してないので読む予定はないのですが、続編では誰かしらに救いがありますように。

 

にしても登場人物が多い!初めて紙に人の名前を書き出したよ~

 

オススメしたい1冊ですが、とにかくメンタルをやられてしまうので、元気なときにどうぞ。

 

後悔と真実の色 (幻冬舎文庫)