マテリアル

私と本とその他色々

構成する素材

マテリアル、と名前を付けたのは前のブログだった。 私は小学校の6年生の終わりの頃から何らかの形で文字を書き続けている。 最初に始めたのは絵日記だった。その絵日記は、〇〇ちゃんと話しただの、〇〇ちゃんとカラオケに行っただの、本当にその日あったこ…

目から浴びるもの

平日夕方、私は千葉駅を走っていた。 何と言ったってバスの乗り換えまであと4分なのにバスが見つからない。こういう時、私は人に道を聞くことが難しい。性格なのだろう。 半分涙目になりながら土地勘のない千葉駅東口を全力で走る。ここまで順調だったのに。…

過去の自分と交換日記をしてみよう

関係ないけど2017年だかに行った九フンの写真。上京する少し前に書いた文章が出てきたのでぺたり。 10年以上前なんだ、高校三年生の冬。てか私こんなに明るかったんだ。 ▼2020.12.30 地元に大きな公園があって、その中にお城があります。天守閣は無く小さな…

割と占いは信じるほう

五月も下旬、精神の回復と共に再開したinstagramで素敵なブラウスを発見した。 花や草の大柄模様が好きな私にとってはもう奇跡のような出会い。 しかも二年ほど前に行った「パーソナルカラー診断で当たり色って言われたグリーン」 某百貨店さんのinstagram、…

適応障害と私

2020年年始、神戸空港で両親に見送られて東京に戻った。 また、ゴールデンウィークくらいには帰れるかな、遅くても絶対お盆には帰るかなくらいの気持ちだった。 私は2011年、18歳の頃から東京で一人暮らしをしている。 好奇心旺盛な性格もあって震災後の余震…

僕の靴音

僕の靴音/堂本剛 一時期KinKi Kidsさんの大ファンだった頃があった。 そもそも面食い王子系大好き中学生だったので、どちらかと言うと光一さんにの容姿にキャッキャいってたのだが、色々と精神的に辛かった時期に、当時ENDLICHERI☆ENDLICHERIとして活動して…

幸せ

幸せってなんだろう。 恐らくテレビでも小説でも何千、いや何万回も使われているこのフレーズについて真剣に考えている。 学生時代、YUKIにハマっていた頃、私にとっての幸せは二人のストーリーみたいな何気ない日常だった。 待ち合わせはローソンで、おにぎ…

ストロベリーナイト

ストロベリーナイト 誉田哲也 ★★★☆☆ ドラマで話題の例の小説。 主人公がバリキャリウーマンでかっこいいです。基本ヒロイン小説って信用してないんですけど、姫川は結構好きかな。 閑静な住宅街で発見された変死体。 一課の若きエース姫川玲子警部補は事件は…

楽園のカンヴァス

楽園のカンヴァス ★★★☆☆ とてもわかり易く細かい近代美術に関する説明が書かれており、近代美術はあまり得意ではいのでとても勉強になった。 ニューヨーク近代美術館の若き学芸員は、ある日ちょっとしたミスで手元に届いた一通の封筒により、スイスの伝説の…

自己調和と春

気がついたら桜が散っていた。 春は一瞬で刹那的なものだなぁとふと思う。実際世間一般的な春らしい瞬間なんて桜が咲いている間ぐらいなものではないのか。 桜が咲く前は寒いし、散ってしまった今は暑い。 春はあけぼの。かの清少納言は言う。 あけぼの。 あ…

笑ったりとか

笑うことが苦手だ。 どのくらい苦手かと言うと、過去にバイト先で笑顔の練習をさせられるくらい笑えなかった。 斜に構えていた時期だったので、何も楽しくなくて笑わなかったと言うのもあったのかもしれない。 今となっては何事も否定から入ることは損だと理…

境界線

新年に髪の毛をバッサリと切った。 昔から嫌なことがあると美容室に行く。2年くらい前まではロングヘアだった。 そこから比べると大層さっぱりとしたものだと思う。そして、いやなことが続いたのだろうと過去の出来事に想いを馳せたりもする。 先日、同僚に…

インストールと私

綿矢りさのインストールを読んだあの日、わたしは中学三年生だった。 夏休み。長いけれどいつの間にか終わってしまう人生の空白を、なにをするわけでもなく、ただのんびりと、寝たり起きたりを繰り返していた。 8月も下旬、読書感想文と言う夏休みの代名詞と…

Aではない君と

Aではない君と 薬丸岳 ★★★★★ 先に他にも本を読んでたんですが、本当に良かったので覚書順番前後しちゃいますが、興奮冷めやらぬうちに。 久しぶりに本当に良い本に出会ったと思った。 主人公吉永は妻と別れて数年、会社ではプロジェクトを率いており、プライ…

愚行録

愚行録 貫井徳郎 ★★★★☆ イヤミスらしいイヤミスですよね。貫井作品らしいなと思います。 「途轍もなく陰鬱な小説を書いてしまった」と作者自身が漏らしたというこの作品。 確かに陰鬱、かつ人間不信に陥りそう。 ただ、彼の著作にはもっと残忍な描写のある作…

64(ロクヨン)

64(ロクヨン) 横山秀夫 ★★★★☆ とにかく登場人物が多いんだよ~!!! 殆どが警察関連者なので「警察」で記憶することも出来ず、肩書きと名前をひたすらメモする日々。手に取る際はメモをお忘れなく。 主人公三上はD県警の広報官。身体醜形障害を持つ娘が失踪…

ぼくのメジャースプーン

ぼくのメジャースプーン 辻村深月 ★★★★☆ 誰にでも読みやすい優しい文体で進む物語。 言葉にまつわる不思議な能力を持つ少年「ぼく」は、ある日学校で起こった残忍な事件をきっかけに心を閉じてしまった幼なじみであり、クラスメイトのふみちゃんのために、自…

教団X

椎間板ヘルニアを悪化させ、仕事から帰り倒れ込むようにしてベッドに横たわります。 暇なので本を読むことが多いのですが、ううん、久しぶりに純文学を読んでしまった。 教団X 中村文則 ★★★☆☆ 久しぶりに読んだ純文学がこの1冊であるのは運が悪かったとしか…

最近読んだ本

長い長い殺人 宮部みゆき ★★★☆☆ 目撃者、被害者、関係者、犯人、死者。 とある事件に関わる様々な人間がそれぞれ持っていた財布視点で語っていくスタイル。 財布という持ち物の視点から見る事件という考え方は面白かったのだけど、財布にする理由はあったの…

乱反射

ヘルニアが悪化し、家では本を読むか寝ているか。梅雨だからね、悪くなるよね。 乱反射 貫井徳郎 ★★★★☆ これぞ貫井文学の真骨頂。 売り出し文句にもある「犯人のいない殺人事件」。 章に細かく分け、様々な登場人物の私生活をバラバラ描いていくという、湊か…

後悔と真実の色

給料日前かつ雨なので読書が捗りますね。 後悔と真実の色 貫井徳郎 ★★★★☆ 貫井文学らしいミステリー。 山本周五郎賞受賞作とあってパンチの効いた1冊。空白の叫びを読んだ時の何とも言えない陰鬱な感じとよく似ている。 とにかく主人公が救われない(自業自得…

最近読んだ本

どちらかと言うと、作家で選ぶことが多いので、最近は専ら宮部みゆきと貫井徳郎専門のよう。 辻村深月の小説を挟んだり。 ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ 辻村深月 ★★★☆☆ 閉鎖的な田舎の人間関係と女性ならではの悩みにフォーカスした1冊。 中途半端な田舎で育った…

限りなく透明に近い

ブルーでは、なくって。 今朝は7時を知らせるけたたましい音で目が覚めた。 布団から右腕だけを出して、頭のうえのほうからなるそれを、寝起きのゆらゆらした感覚のまま叩きつけて。 そのまま沈んでしまいそうに身体が重たかったので、ふと、ラジオ体操をし…

使い捨てのぽい

わたしの作るデザインはいくつかの多分癖がある。 補色をよく使うことは自覚がある。なぜ使うかというと、よく目立つから。あと、なんだか楽しそうだから。どうせなら楽しいものをつくってるほうがたのしい。 資料とかポスターを作ると文字が少ないのも自覚…

器ってね、主に器量の善し悪しを言うと思うんですけどね、 わたし生きる力の器もあるんじゃないかって思うんですよ。生きる力がそこに注ぎ込まれるの。 溢れ出てダバダバしてる人もいれば、ちんまりと収まってるけどたしかに入ってる人いるよね。 わたしはそ…

ジレンマ

貫井徳郎さんの書く文章がとても好きで、この方はいつか直木賞をとるだろうとかれこれ5年くらい言っている。 社会問題を取り入れたミステリーが得意で、わたしは慟哭というカルトの闇をモチーフにした小説がとても好き。 そんな慟哭を、わたしは一か八かで考…

すきなもの、きらいなもの

息を吸うことも吐くことも面倒だなぁと思う日はありませんか、わたしはあります。 目に入るものに全て否定的になる日はありませんか、わたしはあります。 そういうのって五月病と言うのかもしれないけれど、結構頻繁にそんな日があるから困っちゃったりする…

いちにち

昨日は朝起きて、少し違和感があったので、無造作に床に置いていた手鏡を取って、半分寝ぼけた顔で口を開けてみると、喉の奥が赤色になっていた。 ちいさいころから、わたしは体が強いほうではなかったので、細々とした季節の変わり目や、環境がかわるときに…

眠る記憶

この間は目黒川に花見に行った。 確か3度目なのだけど、何回見ても綺麗だなぁと思えるのは、1年という丁度いいスパンと、あつい、さむいを繰り返したからこそだと思う。 毎日そこにある木の緑色を、わたしは美しいとは滅多に思わないので、不思議だね。 わた…

なにもしないをする

わたし、小さい頃から何もしないということができない人間だったので、常にいそいそと動いていたり、何か考えてたりしたんだけど、 それが普通の人間だったので、ある日までは毎日いそいそと生きていて、ある日突然しんどくなった日があって。 何かすること…